2018年11月28日水曜日

陰陽太極鍼

東方鍼灸院・東京

当院所属の鍼灸師・大森亜希が東京・渋谷区に常駐しました。一般の方々への出張施術や学生、鍼灸師、医療関係者の皆様へ「陰陽太極鍼」の出張講習会を承っております。詳しくはメール、toho1189@toho-shinkyu.comまでお問い合わせください。

鍼灸師・板阪崇信(東方鍼灸院)

 「帯広にすごい先生がいるから一度行ったらいいよ!」と知り合いの鍼灸師の先生に勧められ、鍼灸学校在学中に初めて東方鍼灸院に来たのがもう一年前です。かねてから鍼灸を志すからには本物の先生の元で学びたいと思っていた私は、このときの見学でここしかないと確信しました。その後こちらで長期研修生として働かせていただけることになり、驚きと喜びの現場に何度も立ち会う充実した修業生活を送らせていただいています。

 東方鍼灸院は刺さない鍼が特徴なのですが、吉川先生がぎっくり腰で来た患者さんの背中に王不留行という漢方の種を貼っただけで、患者さんが「痛くなくなった!」と驚かれている姿を見て、私自身も驚いたのをよく覚えています。ここで研修させていただいているとこのような光景に何度も出くわします。それはもう不思議としか言いようがありません。体験した人、その場を見た人にしかわからないと思いますがそれが事実なのです。

 研修は、2ヶ月目から一日一人のペースで患者さんを最初から最後まで診させていただくようになりました。このようなことは他の鍼灸院ではほとんど無いと思いますが、私が早かったわけではなく、ここに来た長期研修生の方はみんなだいたい2ヶ月目頃から患者さんを担当するそうです。

 そんな私が一人で臨床するようになって間もない頃、ぎっくり腰の患者さんを担当することになりました。吉川先生の治療を再現できるのかとても不安でした。教えて頂いたことや、吉川先生の傍らで見ていた治療をイメージして自分なりに一生懸命やったのですが、何も変わっていなかったらどうしようと不安でたまりませんでした。

 治療後、緊張しながら具合いを確認すると、「えっ、痛くない!なんで?」患者さんの驚きの声でホッとしたとともに陰陽太極鍼のすごさを肌身で実感した瞬間でした。刺さなくても効く、瞬時に変化するということを目の当たりにしました。まだ鍼灸師になって数ヶ月の私でも治療効果が出せる陰陽太極鍼の効果には本当に驚きました。

 臨床が始まり半年が過ぎましたが、毎日色々な症状を抱えた患者さんがいらっしゃいます。肩こり・腰痛、椎間板ヘルニア、パーキンソン病、脊髄小脳変性症etc.軽度の方から重度の方まで本当に様々です。病院へ行っても原因がわからない、症状が良くならないと来院される患者さんも多くいらっしゃいます。時々○○という症状なのですが、治療できますかと問い合わせがありますが、基本的にはどんな方でも治療できるのが陰陽太極鍼の特徴です。

 臨床を始めて間もない頃は重度の患者さんがいらっしゃるとどうしていいかわからなくなっていましたが、最近はどんな方でも動じず治療できるようになりました。
しかし全ての方に結果が出せているわけではありません。治療してもなかなか良くならず吉川先生に助けていただくこともあります。まだ研修は続きますが、今以上に多くの方の症状を軽減していけるようさらに勉強して経験を積んで技術を高めていきたいと思います。
そして陰陽太極鍼をもっと多くの方に知ってもらいたいと思っています。

 陰陽太極鍼はまだ完成形ではないと吉川先生はおっしゃいます。今も進化し続けているのです。その進化の過程のなかで修業させていただいていることは私にとって本当に大きな財産となることと確信しています。

鍼灸師・河岸桜子(東方鍼灸院)

 「え、すごい、魔法みたい!!」東方鍼灸院にいるとこういう声がよく聞こえてきます。ただ王不留行という植物の種を貼るだけで瞬時にさっきまでの痛みが消え去り、凝り固まったところは柔らかくほぐれるからです。なので患者さんが驚くのも無理はありません。治療している私でさえ驚きの連続です。
 
 私が高校生の頃、家族が入院治療してもよくならなかった顔面麻痺を東方鍼灸院の治療を受ける度にみるみると回復して完治したときは本当に驚きました。病院で治らなかったものを治せる治療法があるんだ、鍼灸って凄いと。当時は鍼灸というものの概念を知らなかった上に、初めて触れた鍼灸が陰陽太極鍼、刺さない鍼だったため鍼灸は刺さないものと思っていました。なので刺すものと知った時は驚きと同時に刺さなくても良くなるのになぜ刺すのか不思議に思ったのを覚えています。

 それから専門学校に進学し、しっかりと刺す鍼灸を学びました。臨床実習で実際に患者さんに治療もしました。しかし大きな変化が出せず、またどう治療したらいいのか分からず戸惑うことも少なくありませんでした。そこで、刺さずにみるみると変化し治してしまうあの驚きをくれた陰陽太極鍼の技術を習得したく長期研修をお願いしました。

 そんな私も勤め始めて一年七カ月になります。そこで私が日々感じる陰陽太極鍼の魅力について書き出していこうと思います。まず最大の特徴である“刺さない”についてです。刺すのではなく、王不留行の種や皮内鍼を貼ります。貼る場所も患者さんが感じるくすぐったい、気持ちがいいなどの反応があるところです。

 貼るという皮膚刺激により経絡の流れが改善される為、硬さや痛みがすぐ変化します。患者さんがそこ!と言うところにピタっと貼れれば効果は絶大です。これが本当に不思議で、ばね指になって痛かった人が一回の治療で完治したり、四本足の杖がないと痛くて歩けなかった人が何回かの治療で杖もなしにスタスタ歩けるようになったりと貼るだけで面白いほどに効果が出るので皮膚感覚の重要さが実感できます。またすぐに痛かったのが改善し、硬かったのが柔らかくなったりと変化するので患者さんも施術者もお互いに効果を確かめられるのも魅力のひとつです。
 
 さらに考え方の理屈やコツが分かれば誰でもすぐに治療ができ、それでいて効果が出せること。これが本当に素晴らしいです。通常鍼灸は鍼灸師の感覚で治療が成り立つことがほとんどです。なので先生から技術を学ぼうと思ってもその人の感覚で治療しているので、全てをそっくり身につけることはとても困難で何より時間がかかります。しかし陰陽太極鍼は鍼灸師の感覚ではなく、患者さんの皮膚感覚によって治療します。なので習得するまでにさほど時間がかかりません。その上、効果が絶大です。

 私の臨床歴は一年七カ月とまだまだ新人と呼ばれるほど短いのに、今はどんな症状の患者さんが来ても焦ることなく治療に挑めます。これは他の鍼灸院では考えられないほど本当に凄いことで、こうなることができたのは陰陽太極鍼のおかげだと心から思っています。

 “鍼灸は事実の上に立ち 科学は事実を説明するのみ”

東方鍼灸院の治療室に飾ってある高木健太郎先生のサインで、私の好きな言葉です。日本は西洋医学が強く普及しており、それに比べ鍼灸は理解度が低く、疎遠にされがちです。鍼灸は痛い、熱いという印象や、経穴や経絡など目に見えないものを重要視するため、目に見えるものを扱う西洋医学に比べ理解がしにくいからでしょうか。

 陰陽太極鍼は皮膚に貼るだけなので尚更そうかもしれません。しかし、貼るだけで改善することは事実です。皮膚科学がまだ詳しく解明されていないだけ、陰陽太極鍼に科学が追いついていないだけで、最先端の治療法だと私は思います。そんな陰陽太極鍼を作り上げた院長は本当に凄い方です。その院長のそばで長期研修生としてじっくり学べている今の環境に感謝しています。

東方鍼灸院/2018